ベトナムで現地の人を面接する。零細企業が4,000km先で感じたこと。発見したこと。その2

前号ではベトナムに赴き、現地の人を採用というゆたかの歴史始まって以来の行動をとったことを記述致しました。

今回はその採用方法について書いていこうと思います。

最初は日本と同様面接です。

今回の対象である5名が一人ずつ、順繰り部屋へ案内されます。

面接の内容はぶれないよう、どの人にも同じ内容を聞くこととします。
もちろん、通訳の方が付いてくれているので助かりました。

・何故日本で働きたいのか?
・勤務時間がシフト制で不規則だけれど大丈夫か?
・家族は日本で働くことをどう思っているのか?
・日本からの就労の後、どんな仕事をしたいのか?
・日本で得た給与は何に使いますか?
などなど。

面接

当然履歴書を見ながら話をするわけですが、どの方も家族が後ろ盾してくれ、万全の体制で日本で就労できるよう応援してくれてるのが伺えます。

日本の方の面接もそうですが、入社する側は自分を猛アピールするため良いことを並べてきます。(笑)

しかしどんな格好の良いことを言っても歩き方や話し方を行動を見ただけで十中八九本当かどうかわかってしまいます。

私自身、これは今まで何十人もの人を面接、採用してきたのでカンが養われているのです。

たとえば、面接会場が座敷の場合、靴を脱いだ時の揃え方がどうかとか、面接が終わって歩き出した特にかかとを引きずって歩くとか、または自分の分身である履歴書の折り方がだらしないとか………。

チョットした気構えで直る部分もありますがと、今まで生きてきた人生のクセが時折顔を出します。ホンの些細なことですが、いままでの自分の習慣とか行動パターンが恐ろしく人間って出てくるんですね。

それが、良いクセなら良いんですが、採用した後の仕事の「悪いクセ」となって現れます。

「あぁ、やっぱりだ〜…………。」と思うことが何回あったことか。

ここで甘くなり、採用してはいけない人を雇用してしまうとお互い不幸の始まりです。

「採用するんじゃなかった!」

「ここを志望するんじゃなかった!」

ということになりかねないので、「弊社で働くより他店で働いて頂いた方がこの方にとっては幸せだな……」と思ったら、断腸の思いでお断りすることも、しばしばあります。

よって、今回は4,000km先から日本に来るに当たって、そんなことにならないように現地の学校に頼み込み、イレギュラーでしたが弊社独自の試験をして頂くことに………。(笑)

先程、一人ずつ面接をさせて頂きました面々にはいったん控え室で待機して頂き、今度は再入場。5名並んでの試験を開始します。

一つ目の実技試験は「豆移し」。

まめ

小皿に30粒入った豆を隣の小皿に箸で移すというもの。( 簡単でしょ? )
だって、手先が細かいに越したことはないわけですから。

よーいドン!でスタートします。しかしながら、ここで仕事に対する姿勢を見ます。

早いことはそれはそれで器用ということで良いことなんですが、どうやってその豆移しに向き合っているかという態度を拝見させて頂きます。

座ってする方。中腰でする方。皆さん色々です。

(なるほど・・・・。)

 

次の試験が「紙数え」。

あらかじめ99枚の紙の束を5人の前に用意します。(皆には何枚あるかは言ってません)

ここで、制限時間を5分設け何枚あるかということと、スピードを競って頂きます。
ということを立て前にしますが、先程と同様に私は取り組み姿勢を拝見させて頂きます。

1枚ずつ数える方。5枚ずつ数える方。数えた束を10枚ずつ交互に重ねる方。
終わった後にもう一回数える方。

ここでも人それぞれ、色々なんですね。

そこで、総合的に勘案した結果、今回の2人、トゥイさんラムさんの採用に至ったわけです。

しかしながら、彼女たちの語学はN4とN5。
日本語の語学検定の5段階評価で一番下と下から2番目です。

なので、入社当初はコミュニケーションとるのは苦労しました。仕事を覚えてもらう以前に言葉を覚えてもらわなくてはならなかったので。。。

かれこれ5ヶ月過ぎましたが今ではひらがなではありますが日報を書けるまでに頑張ってます。日報

何よりもスゴイのは、仕事の熱心さ。今の日本人にないものを感じます。

  • 出勤は規定時間の15分前。早朝の出勤も遅刻などは一切無し。
  • 厨房内を歩くのは早足。
  • 仕事中のおしゃべりも無し。
  • 残業を好んでする。逆に勤務時間が短いと「残業させて下さい!」と言われるほど。
  • 日本人が嫌がるような汚い仕事(残飯の片付け)など、どんなこともやる。
  • 勤勉

・・・・・・などなど。

そんな彼女たちはメモ魔。

一度伝えたことを忘れないようにと、メモ帳を取り出す間も惜しみ、腕にイレズミのように書き込むほど、今日も熱心に仕事をしてくれてます。

いれずみ

次回は今回のベトナム訪問の最終章です。

つづく

この記事を書いた人

鈴木 賢司

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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