他業種へのベンチマーク。飲食店オーナーが見る、写真スタジオの今と昔。

20歳の娘が1年ぶりに帰って参りました。

まだ大学にて勉強中(?)

そんな娘が成人の写真を撮りたいと言い出しました。(汗)

本来ならば、今年の1月が彼女の成人式。
娘本人から言われてたのは「成人式には自宅に帰る事が出来ないので、式にも出席しないし、振り袖も着ないし、写真も撮らない。」との事でした。
(なんて、親孝行な娘だ。。。。。。)

と、思っていたのも1年間だけ。帰って来るなり、今度は振り袖写真を撮りたいと言いだします。

「なんで?」と聞くと、同級生の出席した成人式の写真を見せて頂いたそう。

そこで、友達から言われたのが「何で撮ってないの?」ということらしいです。

同級生のキレイになった姿を、写真を通して見る事で益々撮り鯛という欲求が高まったそうな。
前撮りならぬ、「後撮り(あとどり)」。というところでしょうか。

そこでーインターネットで「貸衣装」「写真館」で検索しますと数軒がヒット。
ならば一番新しいとこへ行ってみよう!

ということで、本日は打ち合わせに写真スタジオへ。

そういえば最後に家族で写真を撮ったのは娘の入学式以来でしょうか…………。

なんとなく私も付いてきたのはいいですが、私が思っている以上に良い意味で「ショッキング」でした。

明瞭な仕組みと社員教育の徹底。

まず手渡されたのがipad

ここには在庫としてレンタル出来る着物が100着以上閲覧出来ます。ipad着物

ここで、好きな着物を5着位を目安に選び、試着室に持ってきてくれるというものです。
私が思っていたのはいきなり着物のショールームに行きあれこれ選ぶものだとてっきり思っていたのが、ipadで選んだものからチョイスするのは時間的にも労力的にも効率できます。
(なるほど。。。)

「何色がお好きですか?」「明るめが良いですか?」「渋めが良いですか?」「柄は?………」
こんな感じで柔らか〜く、店員さんが話しかけてくれます。

結局画面だけでは決めきれず、娘も5着に絞ります。

そこで、出されたのが料金プラン。料金プラン

 

おお!私の目に入ったのが「19,800円〜」となっています。19800

すぐさま私が指を指します。「これがいい!!」

ところがこの料金表示には制限があり、価格だけで左右される私と違い、娘の心理は崩せません。

最低価格だと選べる着物のランクが決まっており、着物のグレードを上げると最終的には90000円クラスに。90000

 

と、そこでご提案を受けたのがこのプラン。次のプラン

左69,800円は着物を2着選んで撮るプラン。右の69,800円は着物1着、ドレス1着を撮影するプラン。
(この時点で私の構想だった19,800円はもろくも崩れます)

この69,800円の料金プランはどの着物も、どのドレスも制限無く着られるそうです。
(お姉さん、上手。というより、この仕組みにやられたという感じ……)

娘は私の懐事情など気にする事もなく、右のプランを指差します。

「これで。」
(「これで」はお金を出す私が言う事であって、お前じゃないだろう!!)

この辺は顧客心理を突いたプレゼンに脱帽です。

また、驚きなのは写真館とはなってますが撮した画像をアルバムに加工するお客様は半数くらい。
残りのお客様は撮った画像をそのままDVDに焼いたデータで渡すそうな。

写真館も変わりましたね。

いざ試着室へ

試着室へ行くと「ではお好きなドレスをご覧下さい。」と言って、50着はあろうかというボリュームの試着室兼ドレスルームに案内されます。
「おすすめは新作の3点ですよ。」とお姉さんが伝えてきます。

ここは、着物ほど点数はないものの、女子の心をくすぐるぐらいの陳列量

そしてそのドレスを上手に下からライトアップしている。
ここはipadの画面で見せられるのと、実物を見るのでは大違い。

まさにファンタジーワールド(笑)ドレス

女子2人(1人?)の興奮はピークに。

今度は娘ではなくて、嫁がエスカレート。飾ってあるドレスをすべて物色しだします。
「あ〜、これ素敵!!」「こんなのイイんじゃない??」「これかわいい!!」
娘も引き気味で完全あきれ顔。
(今日はあなたの出番ではないんだけどな〜。舞踏会でも行くの??)ドレス

余計なひと事はケンカの元。わたしは仏像のように口を閉ざしたままその光景を見つめます。

やはり、人間という動物は五感を刺激するものには弱いんですね。
目で見て、手で触って………。

顧客ターゲットを明確にし、いろんな意味でビジネスモデルとしては素晴らしく大変勉強になりました。

その間にお姉さんが先程の着物を用意して頂く手際の良さ。
「お召し物のご用意が出来ました。ドレスが決まりましたらこちらへどうぞ。」

………ところが、ここからなかなか決まりません(笑)
赤が良いとか、白が良いとか、紫が良いとか。着物試着

やっぱり赤が。。。着物試着

こんな感じで延々一時間以上。

私はギブアップで外に停めてある車へ仮眠をしに行きます。

オプション品の提案

車で寝ていると娘に起こされます。

どうやら、全て丸く収まったご様子。

ドレスも着物も決まり、一件落着!
か、と思いきやここからお金の話し。

私はてっきり、69,800円だと安心していたのですが私のいない間に商談が成立しており、事後報告に娘が私を呼びに来たようなんです。

聞くと、69,800→88,800円と金額が20,000円弱アップ。金額

えっ!どういうこと。

内訳はといいますと、メイクは別料金。着物からドレスに替える際の洋装用のヘアセットが追加、祖母にプレゼントするアルバム料金だそうです。明細

…確かにアルバムは別料金なのはわかるけど(笑)

「えっ、これって料金に入ってなかったの?」と思うものも、これをこの組み合わせで買っておかないとなんか不自然だよね。ということで購入に至る商品ってありますよね。今回もまさにそのレールに乗っております(笑)

車を買うときもそうですが、オプション品というのは心をくすぐるもの。
「こんなのを付けたら便利だよな」「これを付けるとカッコイイよな………」という感じでしょうか。

わたしは今まで地元の町内の写真館しか利用した事が無く、それもお父さんとお母さんが経営している個人の小さな写真館です。
それはそれでアットホームで良かったのですが、今回初めて大手チェーンのスタジオを訪れ、カルチャーショックの連続です。

販売のシステム、商品の見せ方、社員教育………。

ビジネスをあえてビジネスライクには見せず、顧客心理をくすぐりながら満足、納得につなげ、購買に結びつけ気がついたら金額がアップしている…………。

商売上手だなぁ〜、と思って店をあとにする私。

嫁と娘はそんな事より、撮影の日が待ち遠しくてしょうがないようです。

まさに「モノ」を売るのではなく「コト」を売る重要性を知った次第です。
勉強になりました!

 

パレット

■パレット帯広店
北海道帯広市西17条南3丁目43−15

この記事を書いた人

鈴木 賢司

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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