「黒飯(こくはん)」という北海道ではみんな知っているご法要の料理をご紹介します。

ご法要に欠かせないお料理の一つ。【黒飯】

この呼び名わかります?(?_?)エ?

「黒飯」と書いてみなさんなんて読まれるでしょう?

くろめし?  くろはん?

正解は………………。

ここ北海道では「こくはん」と呼びます。

おめでたい席の「赤飯」に対して……………。

▼ゆたか謹製「赤飯」
ゆたか「赤飯」

亡き人を偲ぶ席、つまりご法要でお召し上がり頂く「黒飯(こくはん)」。

▼ゆたか謹製「黒飯(こくはん)」
ゆたか「黒飯」

赤と黒で対象的ですが一般的に赤飯はアズキと色粉を入れて炊くのに対し、黒飯は黒豆を入れて炊きます。

どちらも塩味。

要は黒飯(こくはん)とは黒豆を入れた「おこわ」を指します。

北海道ではメジャーですが東北の一部を除き、この料理は珍しいようです。

簡単ですが黒飯のレシピを書き添えます。(^o^)

【黒飯(こくはん)のレシピ・作り方】

1.黒豆を良く洗って前日から水に浸けておきます。

2.十分に戻ったら蒸します。蒸し終わったら乾かないようにラップにくるんでおきます。

3.もち米を良く洗い、水に浸します。

4.木綿の布に浸けたもち米を入れ、一度せいろにかけて蒸気で蒸します。

5.蒸している間に5%ほどの塩水をお米の倍量ほど用意しておきます。

6.固めに蒸し炊いた後、布ごと たっぷりと先程の塩水に浸し、米に一気に吸水させる。

7.蒸した黒豆を混ぜ合わせて、もう一度じっくりせいろで蒸仕上げて出来上がり。

※スライスした生姜の酢漬け(ガリ)を添えると尚いいです。

社内のまかないでも、多めにに炊いて余った赤飯や黒飯を食べることがありますがどういうわけか赤飯の方ばかりに人気が集中し、黒飯は余ってしまう傾向があります。

色が付いているか、付いていないかの違いだけなんですが…………。

同じもち米なのに面白いですね。

しかし……。

昨今ではこの法要の文化も世代の交代と共に薄れていき、黒飯(こくはん)のニーズも少なくなっており、ご注文が減ってきました。

替わってご注文を頂くようになってきたのがちらし寿司。

▼ゆたか謹製「ちらし寿司」ゆたか謹製「ちらし寿司」

時代と共にお客様のニーズも変わって行きます。

黒飯(こくはん)に比べちょっと派手目。(^_^;

法要という文化も形を変えていくんでしょうね。

本州に行きますと地域によっては「精進料理」が文化として根付いている地域もあり、動物性の食材を入れない県がありますが、北海道はまだまだ開拓して150年ほど。

本州の歴史の長さとは比べものになりません。

本州からの開拓者が大勢入植し、異文化が混ざり合って今日の文化を形成しています。

なので、ご法要料理といえども赤い色も使いますし、動物性の食材もしっかり使います。

ある意味、何でもありなのが北海道のご法要です。

さて、今朝のゆたか厨房はご法要が重なりてんてこ舞い、朝5時から出勤してくれてます。

うちの社員さんは働き者ばかり。本当に助かります。

で、今日のご注文はこちらのお膳。

▼ご法要三段重です。
ゆたか「ご法要三段重」

▼この中に入れる黒飯(こくはん)を詰めています。
ゆたか「こくはん」

余談ですが北海道ではお赤飯に甘納豆を入れる、一般のご家庭が多いようです。

農水省のページでも紹介されてますね。
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sekihan_hokkaido.html

以前、東京での修業先でこの話をすると皆一応に「ええ〜っ!」という感じでした。
(゜ロ)ギョェ〜

私も小さな頃は良くこの甘納豆入りの赤飯を好んで食べました。

この甘納豆の赤飯と塩鮭を焼いたものの組み合わせが何とも言えないソウルフードなんです。(笑)

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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