飲食店。コロナ禍でも営業利益がプラスに転じるビジネスモデルへの参入。

ある女性経営者からお声がかかり、なんとか今の飲食事業の他に「仕出し事業」を取り入れたいとのことで相談されたのが今から一年少々前のこと。

そのお店、そこそこお客様も入っており、売り上げも相当なものでしたが今後の先行きに不安を感じられ、私にお声をかけて頂きご縁が始まりました。

お店の立地も昔はそれなりに繁栄をされていた街でしたが今は衰退の一途をたどる日本のどこにでもある、少子高齢化の波をまともに受けている北海道の地方の町。

同じ北海道でありながら、私の町から数百キロと遠く…..。

しかしながら社長の決意を固かったので、私はコンサル契約をさせていただく前に三つのお願いをさせて頂きました。

1.私がお願いしたことは100%実行。(期日までにスピード感を持って実践)
2.他責にしないこと。(出来ない理由を言わないこと)
3.実行責任はあくまでも社長であって私ではありません。何でもコンサルがやるものだと思わないこと。(社長の仕事は自ら「やる!」と決めること)

上記を守っていただければ情報は惜しみなくお伝えしますし、御社の業績に対して全面的にコミットをさせていただきます。
ということで契約をスタートさせて頂き、私と社長の二人三脚がスタートしました。

新しい事業ということで5人の職人さん達を弊社の本店でローテーションを組みながら、お一人1週間ずつ研修に入って頂きました。
ご年配の方が多かったので、調理技術を教えるということではなく、弊社の最新厨房機器に触れて頂き、温度コントロールや調理時間、調理モードなどを学んで頂き、ワンランク上のクオリティーを目指すべく、社長が弊社に派遣されたのでした。

そんな職人さんたちも社長の思いとは逆に時代の波にはついて来られず、新たな機器には馴染めずじまい。
あげくの果てにはこれから仕出し事業をされるという会社の方針にも従えず、ということでうち4人の職人さんたちが残念なことに退職されてしまったのです。

そんな事態にもかかわらず残った職人さんと新たに採用した職人さんとでご法要を中心とした仕出し料理を進めてきたところ、なんとなんと。このコロナ禍にもかかわらず5月末の決算見通しで営業利益をプラスに。それも前年対8倍に業績を上げたのです。

私も結構厳しいことをいう方ですので、悔し涙を流しながらも、歯を食いしばって言うことを信じ頑張って頂きました。

上記の通り、職人さんたちが一気に離反、退職されてもめげず、経営革新の認定を取得。
常にプラス思考、前向きだったのが業績に結びついたのでしょう。

結果を作ったのは他の誰でもなく、こちらも社長であり、最終的には諦めずに目の前のことを淡々とやり続けた人が成果を掴み取るということを実証されました。

今更ながら書き加えますがここでいう「仕出し」というのは「宅配」とは違います。

前者はご法要やお子様の節句、敬老のお祝い料理ということでセレモニーに合わせた高単価なお料理です。

下図にあるようにご自宅やご指定場所までお膳料理を持っていくようなイメージです。

一方後者である宅配は「出前」的な要素が強く、注文してから数十分で届く日常的な料理を指します。

私は北海道十勝の小さな田舎町。池田町という人口6,000人。高齢化率50%とという商圏での成功体験から
飲食事業の他に、この手法を全国にお伝えさせて頂く仕事をさせていただいているわけです。

先の会社も6月から新しい決算期を迎えますが大型補助金もすでに採択され、新たな厨房設備を整えると同時に、さらにもう一本の新たな柱である新事業を構築していくことがすでに決まっております。

コロナ前もコロナ後も女性の時代。
まざまざと女性の底力を見せつけられた、そんな気が致しました。

一年間ご苦労さまです。

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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