5/25の某テレビでも放映しておりましたが食用オイルの高騰が止まりません。
弊社でもつい先日、業者さんからの告知を受け、値上がりをしたかと思った矢先に
また取引先の営業マンがやってきて
「心苦しいのですが…..」と言って再値上げの見積書を置いていきました。
原因はロシアのウクライナ侵攻が大ではありますが円安などの為替相場の影響など、諸々あるようです。
ということはこの値上げまだまだ余波がありそうですね。
一説によると1缶あたり1万円という価格も現実のものになりつつあります。
実はこの値上げを予測していたわけではないのですが昨年からある実験をしておりました。
そう、この「油」についてです。
この食用油ですが飲食店にとっては切っても来れない関係があり
当店では天ぷらからフライ、そして唐揚げに至るまで多種多様な揚げ物を行っております。
そんなわけで二槽(各18リットル入り)のフライヤーが朝から晩までフル稼働をしているわけです。
今回は価格が青天井のご時世にドンピシャなお話し。
このフライヤーに「ある組み合わせ」を施したところ、ナ、ナ、ナント。
油が2倍どころか40倍以上日持ちするようになってしまいました。
しかも、この実証実験もまだまだ現在進行中。
この調子だと更に記録を更新しそうです。
フフフフフ……。このお話し、少し長くなりますがお付き合いくださいね。
前述しましたフライヤーの油。今まで4〜5日しか持たなかった油が今や40倍の160日。
つまりは5ヶ月を通り越して、現在6ヶ月目に突入しだしたのです。
「ウッソだろ〜〜。」「ありえない!!」「大して使ってないんだろ〜〜!」
なんて言う声が聞こえてきそうですが……。
どう信じてもらったらいいやら…。
そういう私自身も信じられないものですから(笑)
この油交換。
ものすごく大変な作業でして、油が重いのに加え(一斗缶16.5kgあります。2槽なので33kgということになります)
高温の油を扱うがゆえの火傷の危険性も伴う仕事。
これを4日に一回交換となると、まぁまぁ作業としてはけっこうヘビーでして、うちの従業員さんに頭が下がる次第です。
この油が劣化する最大の原因が「油の酸化」。
つまりは肉や魚、野菜や衣からから出る水分が油とが反応して劣化していくわけです。
なんとか日持ちさせようと数年前から試みてはいたものの
この油が酸化する要因を一つずつ塗りつぶしていった結果
とんでもないことが起きてしまいました。
あんまり大声でいうと、この期に及んで便乗値上げを企んでいる某大手食品油脂メーカーに
暗殺されるのではないかと思うほどです。(笑)
この組み合わせで大きなポイントと考えているのが下記の3つ。
- フライヤーはIH(電磁式)を使うべし。
- ろ過器をこまめに使うべし。
- ここが大きなポイント!
ある「電子微細振動発生装置」を使うこと。
1.フライヤーはIH(電磁式)を使うべし。
業務用フライヤーはガスが主流。価格の面や導入コストを考えると
日本全国の飲食店でのシェアがナンバーワンというのもうなずけます。
ところが当店ではそれに反してIHフライヤー(電磁フライヤー)というものを10年ほど前に導入いたしました。
ガスはハイパワーな反面、デメリットとして厨房の温度を上昇させるのです。
北海道の冬の厨房なら、朝一番の寒い厨房を暖めてくれるという恩恵を受け止めることもできるのですが、夏の厨房はまさに地獄。
昨今の北海道の気温も、本州の気温に負けず劣らず、グイグイと毎年上昇傾向にあります。
温度が上がるということは従業員の疲労につながるばかりか
「食中毒リスク」が一気に高まるわけであります。
そこでクリーンで温度が上がりにくいIHフライヤーを導入したわけなのです。
もちろんガスフライヤーとの購入価格差は当時で2倍以上ありました。
しかしながら衛生面や労働環境を優先したわけです。
ガスフライヤーはハイパワーで槽の中にガスの燃焼管が走っているわけで、その温度が350度を超えます。
それに対してIHフライヤーは発熱温度が260度前後。おまけに温度復帰も早い。
例えばマイナス20度で冷凍しておいたカチンカチンのポテトなんかをフライヤーに入れると
一気に温度が下がるわけです。
ガスフライヤーは温度が下がったと感知すると、自動的に設定温度である180度にするためにガスバーナーが全開になり
発熱パイプの温度が350度以上になる。
当然ガス燃焼の輻射熱で厨房の温度も一気に上昇となります。
ところがIHフライヤーだと同じ条件でポテトを入れても発熱量が270度と低いながらも
電磁誘導の仕組みで温度復帰も早いのです。
IHフライヤーの構造的な詳しい話はここでは割愛しますが
電子レンジの加熱ってとっても早いですよね。少々乱暴ですがそれと似たようなものだと考えて下さい。
おまけにIHフライヤーはガスのような燃焼がないので厨房温度が上がらない。
つまりは後者のほうが発熱量が低いため油の「酸化」がしづらい。
油が傷み辛いということになるわけです。
京都市工業試験場と北里大学水産学部による、これを裏付ける研究結果がアップされておりました。
ご興味の有る方はぜひご参照頂ければと思います。
2.ろ過器をこまめに使うべし。
業務用フライヤー専用の「ろ過器」というものが最近売れに売れてるているそうな。
皆さん、この値上げに敏感に反応されていらっしゃるのがわかります。
このろ過器。当店でも毎日のようにを使っているわけですが、商品としてはピン切り。
各メーカーさん、色んな思いもあって「うちのがナンバーワン」を自負し、販売されているわけです。
ポイントは「ろ紙」「ろ過剤」「吸着剤」にあります。
汚れきった油から、いかに不純物を取り除くか?
そしてそれがいかに簡便にできるかだと思います。
この辺がろ過器製造メーカーさんによって微妙に違うんですね。
弊社も2〜3社使ってみてようやく今の製品にたどり着いたという経緯があります。
(この辺は使用環境との相性もあるかもしれません)
フライヤーは大体の構造がそうなのですが真ん中に燃焼管が走っていて
上部で加温された油の中で揚げ物をし、下部の低温層に揚げカスが溜まる仕組みになっております。
低温層とはいえ、揚げカスが溜まれば溜まるほど、油の酸化に貢献しているわけで放っておくと油交換のサイクルを早めるわけなんです。
これをろ過するのが「ろ過器」の大きな役目なのです。
前述しましたようにフライヤーの油交換は結構危険を伴うわけで、私なんかは駆け出しのぺーぺーの頃交換の際に大やけどをしこっぴどく叱られた記憶が蘇ってまいります。
「仕事もまともにできないのに、一丁前にやけどなんかしやがって….」という感じで先輩に叱られたものでした。
やけどが一丁前???
ま、それはさておいて(笑)
女性の社会進出に伴い女性調理師さんも多くいらっしゃる飲食業界。
当店だってキッチンは私以外全員女性ですから(笑)
そんな中で油交換をいかに少なくするか?
もしくは油交換をしなくていい方法は?などなど、、、、
やけどやケガなどをリスク分散のテーマとし、経営者の端くれとして頭を悩ませ、解決できないかを模索した結果導入した一つがこのろ過器でした。
たしかに以前よりも交換に伴うリスクも大幅に減り、フライヤー単体で使用の時よりも油の寿命は伸びたものの私の要求を満たすまでには至りませんでした。(目標が高すぎるのかな……)
3.ここが大きなポイント!
「電子微細振動発生装置」を使うこと。
フライヤー内の食材や油内の水分子をコントロールするといわれるド○ターフライという商品が一世を風靡いたしました。
ご存じの方、もしくは使っていらっしゃる方も多いかと存じます。
ある食品展示会でそれを見たときに、マジックを見ているようで驚いたものです。
フライヤーの中に特殊なプレートを入れて電源をオンするだけで、揚げ物が軽く揚がり、「揚げる」というよりも「焼く」に近い感じになる。
後味もさっぱりし、私のような中年でも胸焼けもしづらい….。
そんなこともあって、早速メーカーにデモ機を依頼。それでは!ということで使い始めたのですが展示会場とは同じにならない….。
なんだか高額の割には結果が出ない。
そこでメーカーに問い合わせた結果、「IHフライヤーでは結果が出ない場合がある」とのこと。
そこで半ば諦めたときに別メーカーで、国際特許を取った「似て非なる製品」に出会えたのでした。
それが今回紹介する「DENBA」(デンバと読みます)
このメーカーさん。強気な会社で、デモ機の貸し出しを依頼すると、電話越しに「デモ機は出せません。実際に使って下さい…」とのこと。
それが昨年の10月の話し(R3.10)
その自信たっぷりの話し方に随分後ろ髪を引かれ、本社がある東京に本社に行って話しを聞くことに……。
担当者の熱心な説明とド○ターフライとの大きな違いに驚かされ、30分後には発注のサインをしておりました。
バックにはあの日本を代表する商社、伊藤忠商事がいるということでその信頼性があったのも決め手の一つとなりました。
で、数日後。現物が届いたので恐る恐る電波を発生するプレートをフライヤーに沈めました。
そして電源をオン。
最初の印象は「随分と天ぷらを揚げているときの泡が細かいな〜」という印象。
唐揚げを揚げていてもブクブクと気泡が細かい。
実食して納得。
「うまい!」
「あ〜、買ってよかった……」と。(高い買い物にならずに澄んだ…というのが本音かもしれません)
そこから、奇妙なことが起こり始めました。
油が思った以上に傷まないのです。
つまりは酸化が非常にしにくくなってきたようなのです。
当初メーカーから気いていたのは「通常は2倍から3倍は長持ちいたします。」とのこと。
ということはろ過器との相乗効果で4倍から6倍の日持ちを想定(16日〜24日)していたのですが
それが1ヶ月経ち、2ヶ月以上も持つようになってきました。
もちろん油が目減りした分は継ぎ足しを繰り返し、ろ過器も毎日併用しておりました。
ここまで来るとメーカーが言う「2倍とか3倍」とかという次元ではなくなってまいりましたよね。
あまりの効果に驚き、コロナで疲弊した飲食業界に恩返しの意味で代理店契約までしてしまった次第です。(笑)
私自身、今でも狐につままれたような感じなっておりますが、その後もそして今日に至るまで油を全く交換しなくなったのです。
メーカー担当にこのことを話すと…..「えっ、本当ですか???」と、全く同様の事例が聞いたこと無いそう。
そこでメーカーとしても実証したく、東京から北海道まで2週間後には飛んでまいりました(笑)
〈DENBAシステム本社矢口様、確認のためご来店〉
どういう因果関係でこうなったのかはわかりませんが
「なんとか酸化お抑えたい」という、思いによる組み合わせが功を奏したとしか言いようがありません。
これはあくまでも私の推測ですが…..。
フライヤー単体ではここまでの結果は難しく、そこにDENBAフライヤーを加えてもここまでの結果を導き出すのはハードルが高く。
そこに、ろ過器も特定のメーカーを合わせることでこの結果に至ったのではないかと思います。
私としても再現性を高めてまいりたいと思い、今後は日本全国の飲食店で実証実験を行う予定です。
(ぜひ試してみたいという方はお気軽に鈴木までご相談くださいね)
この、IHフライヤー×ろ過器(指定メーカー)×DENBAフライヤーの組み合わせ。
すでに名古屋の有名ラーメン店チェーンさん本部にはご協力いただき、実証実験を進めておりますがDENBAフライヤーだけで約2.5倍に油の寿命が伸びたと嬉しいご連絡が。
さらにIHフライヤーと弊社指定のろ過器の導入も加わることでさらなる結果に期待しています。
来月にもこの組み合わせを導入したモデル店が道北のお寿司屋さんで一軒。
8月頃には広島の複合飲食店舗様でも1軒。
帯広市内の病院やホテルさんからも問い合わせが来ております。
私としても販売した以上は何十倍にもして、元を取っていただきたいので酸化しづらい1度刻みの細かな温度設定や具体的な現場レベルでの使い方等を随時ご指導している次第です。
ましてや私自身、厨房メーカーではないので中立的な立場で「良いものは良い」と皆さんにお伝えします。
どうしても厨房メーカーの営業マンだと自社商品に気合いを入れて売りこんで参りますが、北海道ローカルの一飲食店オーナーが現場に立って実際に使って感じたこと、そして店舗レベルでどう使えるのか否かを品定めします。
職人さんがなかなか見つからない時代だからこそ、こういった機器をうまく使いながら生産性を上げていただきたいと考えています。
もちろん同時に費用対効果の追求もです。
先の厨房メーカーさんと弊社の大きな違いは購入後のアフターフォロー。
当店が販売したあとは店舗メニューに合わせた使い方等を共有させていただきます。
メーカーさんは機械を売るのはプロですが調理に関しては素人ですからね。
どの機器をどのメニューに合わせて….なんてことは答えに詰まると思います。
当店の様々な機器を見て頂き、テストして納得いただいた上で喜んで頂ければ幸せ。
そこにほんの少しだけのフィーを頂き、ビジネスとして成り立てば更に嬉しい限りです。
鈴木が言っていることは本当か?
とか、実際に6ヶ月目の油の状態を見てみたい飲食店関係の方。
ぜひぜひ、挑戦お待ちしています(^^)
見学は予め日程調整の上、宜しくお願いしますね。
弊社ではアルコール凍結機や3Dフリーザーのデモ&販売を行っております。
「この食材を使って加工品を作りたい」とか「急送凍結機を体験したい」など、食材の持ち込みも大歓迎。購入前ももちろんですが「買ってしまったのだけれども宝の持ち腐れ……。」とならないよう購入後もしっかりとフォロー。
飲食店「ゆたか」を経営する北海道フードマイスター鈴木賢司が料理人ならではの発想、切り口で導入機器の稼働率、生産性を上げてまいります。
どんなことでもお気軽にご相談ください。
◆どんなことでもまずはご相談ください。
一人で考える、から「一緒に考える」へ。
office@yutaka-web.com