同じ釜の飯を食う。

本日は社員さんの送別会。

 

9年にわたり尽力頂きましたが一身上の事情で弊社を卒業。

 

「同じ釜の飯(めし)を食った仲」という言葉がありますが、弊社ではまかないごはんを作ってる関係で、食事を共にする機会も少なくありません。

 

そんな同じ釜を食べた仲間が巣立っていくのはやはり寂しいものです。

さて、同じ釜のメシである「まかない飯(めし)」のお話し。

 

見習いコックの登竜門はこの「まかない飯(めし)」がうまく作れるか否かで次のステップに進めることが出来るのか?

 

いわば見極めの昇格試験のようなもの。

 

今でも忘れない高校卒業の19歳。

 

初めて就職した修業先のホテルで毎日食べたことない料理がまかない飯で登場します。(^^)

 

もちろん、フレンチをベースにした料理なんて人生初。

ゆたか料理

いわばフランス料理が毎日続くわけです。

 

 

仕事は大変辛かったものの、まかない飯の美味しさには驚かされたものでした。

である日。

 

「鈴木、そろそろまかないメシはお前が作りなさい!」と先輩から告げられます。

 

「わかりました!」とは言ったものの………料理なんかまともに作ったことなんかありません。(^_^;

 

仕事帰りに本屋へ寄り、料理本を買ったものでした。

 

そして最初に作った料理。

 

何だと思います?

 

今でも忘れません。

 

「酢豚」でした。(笑)

 

朝から、仕事の合間を見て材料を刻んだり下味をつけ夜のまかない時間に間に合うように仕込みをしておきます。

 

で、いよいよまかないタイム。(^^)

 

本から転記したレシピを見ながら作り上げ。

 

「出来た……………。」\(^O^)/

 

と…………。

 

早速、先輩達のいるテーブルに載せた途端、雰囲気が変わります。

 

一同「……………。」(○_○)

 

先輩から…………。

 

「誰が酢豚なんか作れって言ったんだよ!」

 

私はポカ〜ンとなります。(・0・)

 

「いえ誰も言ってませんが???」

 

「お前!フレンチの職人が酢豚作ってどうすんだよ!!」(゜;)エエッ

 

「………………。」(撃沈)

 

そのあとは無言のまま、針のむしろ状態でまかない時間が過ぎました。

 

 

私の作ったまかないなど、皆ほとんど、手を付けず………。

 

悔しかったな〜(笑)

 

で翌当番の日。

 

今度はここ池田町の当時の「ゆたか」が出していた人気のメニュー「ポークチャップ」というメニューを出そうと、夜な夜な母に電話しレシピを聞いたものでした。

 

 

豚のロース肉を焼き、仕上げにデミグラスとケチャップを合わせたソースをからめるというメニューです。

 

 

今度こそ!と思い、そのメニューを作り、先輩達の待つまかないテーブルへ………。

 

 

一同「……………。」(○_○)

 

 

早速先輩から…………。

 

 

「誰がケチャップで味付けるメニューなんて作れって言ったんだよ!」(◎-◎;)

 

 

「………………。」(再度、撃沈)

 

 

今となっては良い思い出となっています。(^^)

 

 

同じ釜とはいうものの、修業時代の当時と今の弊社のまかない事情は世相が変わり大きく変化してます。

 

 

弊社のような小さな会社はホテルのように、まかないに高級食材を使うこともままならないため、同じメニューが続くこともしばしば。(^◇^;)

 

で、「また同じおかず?」なんてパートさん言われることも時々あります。(笑)

 

いいんです。(^^)

 

 

「同じ釜の飯を食べることに意義がある」のですから………と負け惜しみを言う私でした。^_^;

YouTube動画毎日配信中です!

banner

この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

詳しいプロフィールはこちら