今日もお客様に感謝です。

仕出しのご注文が重なり、本日も早朝から皆頑張ってくれてます。

人口7000人弱の街ですが、ここ池田町のみならず近隣の町村からのご注文も増えるようになってきました。

有り難いですね。


料理作成風景

弊社が仕出しを始めたのは今から20年ほど前にさかのぼります。

私が修業先から帰ってきたのを機に、何かしらの事業の柱を立てたいと考えたからです。

といいますのも、ちょうど池田町の人口も下降気味。「この先、待ちの商いだけでは厳しい」と感じた次第でした。

そこで、待っているよりもお客様の元にお料理を運んで喜んで頂こうということでお届け料理である「仕出し」を本格的にスタートしたわけです。

「仕出し」「お届け料理」と言いますと、何となく「出前」「宅配」のイメージがあり、よく間違われますが弊社が考えたのはご法要や結納など「御膳に乗せた料理」をお寺やご家庭にお届けする料理を指します。

 

……とは言っても仕出し料理のノウハウはありませんし、やったこともそんなにありません。(^_^;

 

一般のお客様は、「料理を作って御膳に乗せて運ぶだけでしょ?」なんて思われるかもしれません。

いえいえ、当店から距離の離れたところまでお料理を運ぶとなるとそれ相応に大変なんです(笑)

たとえば、夏場にお造りなんかをお持ちすると一気に鮮度が落ちてしまう。

また、いったん店外に出ると雨や雪や風などあらゆる気象条件に対応した配送にしなければならない………。

それが、ご法要となると1食、2食と言うことではなく、いっぺんに30人前40人前というご注文になります。

 

また弊社の厨房から離れたところで飲食して頂くことを想定して、食べて頂く時間に合わせて調理を開始したり、衛生面も最善の注意を払います。
鶏パン粉焼き

薬品をたっぷり使って日持ちをさせることは簡単ですが、人様の身体に入ることを考えると、私だってそのような料理を口に入れたくありませんよね。

そんなことで厨房機器の揃ったところで食べる「店内飲食」と当店から離れたところで召し上がって頂く「仕出し」とは味付けを含めノウハウが全く異なってくるんです。

そこにもってきて、弊社には営業マンが居ません。
冗舌(じょうぜつ)にお客様に対してPR出来るスタッフなんて誰ひとり居なかったのです。

 

仕出し専門店では必ず複数人の営業マンを雇い、お客様の名簿を小脇に抱え一軒一軒くまなく回ります。

お客様の心理を読み、時には値引きをしたり、サービス品を付けたり……。

あの手この手でお客様を獲得する、いわばその道の「プロ」です。

大抵の営業マンは歩合制で給与に直結します。

なので皆さん必死で売り歩くわけです。

 

当然我が社はその時点で大きく出遅れているわけです。^_^;

どうやって、仕出し料理を宣伝をしようか迷ったあげく、弊社の料理を発泡スチロールに詰めて、飛び込みでお客様の家を一軒一軒回ることからスタートすることに致しました。

茶碗蒸しやら、炊き合わせを入れて、温かい作りたてのお料理をお持ちしてご案内したものでした。

営業なんてしたことありませんから、自分でも何を言っていいのか解らない。
お客様に会ってから、どんな話題から提供して良いのか全くわからなかったのです。

ただ一生懸命に思いをお伝えすることしかでいなかったように思います。

 

私は元々フレンチの職人。

料理を作ることは札幌東京で厳しい修行の後、帰ってきたのでそれなりには自身がありました。

とは言っても2代目として経営する側に立っており、社員さんパートさんのお給料を用立てなくては…。という立場にはおりましたので格好なんか付けてられません。

ましてや家には幼い三人の子供がおり。おむつ代だ、ミルク代だ……なんて思うと「オレはフレンチの職人だ。」「中華の職人だ。」なんて言っては居られませんでした。σ(^◇^;)

でも、そう格好良いことを思いつき、まわりに宣言したにもかかわらず、お客様の家の前に立って、いざ呼び鈴を押す度に「誰もいなきゃいいな〜」なんて思いながら、最初の頃は回っておりました。(汗)

自分が「やろう!」と思って始めたことでも、実際にやり始めると足がすくんで逃げ出したかったほど営業が辛かったんです。

今では笑い話ですけどね。

 

そんなことですから、いっこうにお客様からの注文なんか頂けません。

話しもそこそこにダメだったらすぐに失礼して、玄関のドアを閉めてお客様の家をあとにする。

速攻で自分の車のドアを閉めた瞬間、冷や汗とため息の連続でした。

 

それから3ヶ月を過ぎた頃でしょうか。

ある農家さんのご自宅をお邪魔した際のこと、いつものように呼び鈴を押しご挨拶に伺うと熱心に私の話を聞いて下さるお客様に巡り会えました。

そこでのご注文は頂けず「考えてみる」とのご回答だったので、1週間後またそのお客様のご自宅を訪問したときに初めてご注文を頂くことが出来たのを昨日のことのように鮮明に覚えております。

それが私の営業職第一号のお客様となり、今でもそのお顔は忘れないほどです。

 

前述しましたように、たくさんのご注文を頂いても当時の思いを忘れずお客様にお応えしなければと今さらながら思った次第です。

私がブログを書くようになり、毎日どんなテーマにするか、正直毎日がプレッシャーです(笑)

ただ、今日のテーマは天が私に当時のことを思い出すようにブログを通じて書く方向に導いてくれたのではと思うほどです。

毎日が一期一会。

お客様との出会いを大切にし、一品一品仕上げて参ります。

感謝。

▽低温調理した「いけだ牛ロースト」
ローストビーフ盛り付け

この記事を書いた人

鈴木 賢司

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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