小さな飲食店の税理士事務所との付き合い方。まずは社長が何を求めるかが大事なのです。

税理士さんのいらっしゃる会計事務所。

何のため、誰のための事務所なんでしょう?

個人事業主? 会社経営者? それとも税務署のため?

私は父の代から今日まで、数社の税理士事務所とお付き合いをさせて頂きました。

税理士事務所といっても十社十色

直接、税理士の免許を持った先生が毎月来てくれる事務所もあれば、そこに勤めている免許を持たない職員さんが来てくれた場合もありました。

会計指導もまちまち。

「なるほど!」と思う事務所もあれば、そうでない事務所もありました。

で、何をするのかといいますと、社内の記帳のチェックや記帳の代行、年末調整や給与計算など我々飲食店の事務処理を管理してくれる業務を総合的に行って頂いてます。大成経営 ゆたか

個人事業主であっても会社経営であっても、最終的には1年間の会計期間の現金残高と帳面を合わせ、税務署に提出する資料を作ります。これを決算書と呼んでいます。

私も商業高校を出て簿記3級を持っていますが学校で何とな〜く取った資格ですので、最初の頃は何が何だかわかりませんでした。

つまり税理士事務所に言われるがまま

「こんなもんなんだろうな〜。」という感じで受け止めておりました。

決算書を目の前にして儲かっているか、儲かっていないかくらいは最終的な数字がプラスになっているかマイナスになっているか程度の理解力で、何のために商業高校に行ったのか?もっと勉強すべきだったと後悔さえしたものです。(笑)

先代の父からは「自分たちは経理がわからないから会計事務所に頼んでいるんだ!」と言われ、「ごもっともなお答えです!」と思った時期もありましたが、ある勉強会で先輩社長から「鈴木さん、税理士事務所は鈴木さんのレベルに合わせた指導しかしてくれませんよ」と言われたことが今でも耳に残っています。

まさしくその通りで、以前は税理士の先生に何を聞いていいかもわからず、月次で上がってくる試算表でさえ、利益が出ているのか否か、何を改善すればよいのかが全くわからずという有様でした。

ある会計事務所は決算が過ぎ、税理士先生から決算書という「会社版通信簿」を手渡され、「今期は業績が良かったですね。」もしくは「悪かったですね。」と言われるだけ。

それ以上は知識がないので質問さえできない自分がいました

最初の頃はそれで「良し。」としていた時期もありました。

大成経営 ゆたか

黒字ならそれに応じて税務署に税金を支払う。

赤字なら税金を払えず、次期の資金繰りを考える。という感じです。

何故、黒字なのか?何故赤字になったのか?どことどこの数字が影響してこの結果になったのか?プロにお願いした結果、「こういう数字になったのだからしょうがない。」とそれ以上聞くことすらしなかったのです。

なので、税理士先生も「こことここの数字をこういうふうに改善して来期はこのように業務改善していきましょう!」などという具体的な提案など全くなし。

おまけに毎期毎月、記帳をきちんとこなし、領収書や請求書をのり付けして帳票類を揃えて何年分も整理して段ボールにストックする。

間に合わない場合は仕事が終わってから眠い目をこすり、明け方まで事務仕事に追われる。

そんなことに疑問を思ったのが10数年前。

これって何を目指すのか???

税務署のための記帳???

それは私が父からバトンタッチし経営者としての勉強をし始めた時のことでした。

それまでは料理人として「美味しいものさえ作っていれば経営は成り立つ!」と思っておりました。

しかし、美味しいものを作る技術と店を経営する技術は全く別物

常に利益を出し続けなければ会社は存続させることはできません。

社員さんにお給料を支払うことさえ難しくなるわけです。

要は100円で仕入れてきた魚を美味しく上手に調理し、50円で売っていては利益どころか次の日に魚を仕入れる資金さえなくなってしまうということです。

そこで初めて知ったのが税務署のための【税務会計】ではなく、自社のマネージメントのための【管理会計】を学ばなければならないということです。

税務署に申告書を出す場合など、そこで大事なのが前述した記帳や帳票類、伝票がきちんと適正な処理をなされているかということが【税務会計】

私が求めているのは売上に対して原価率がどれくらいあるのか?

損益分岐点といって、収支がトントンとなる売上はいくらなのか?

資本金をゆたかという会社に投入し、どれくらいの回転を上げているのか?

…………という経営の判断材料となる数字を算出するのが【管理会計】となるわけです。

 

それを目指すあまり、今では東京の税理士事務所さんの門を叩くに至った次第です。

ええ〜、東京?

そうなんです。東京なんです。(笑)

▼東京事務所にて大成経営 ゆたか

なので、東京の事務所に行ったり、もしくは先生がここ北海道の我が街まで来てくれたり、あるいはSkypeにてインターネット会議をしたりと距離と時間を埋めたりもしています。

交通費は余計にかかりますが、それに見合う分だけの指導やアドバイスをしっかりして頂いてます。

一般的な税理士事務所というのは決算書を作って「終わり」というのが大半かと思います。(そうじゃない事務所の方、ゴメンナサイ。)

また、一方で「クラウド会計」という流れが加速しています。記帳をインターネット上で簡単に済ませ、リアルタイムで財務状況がわかるというものです。

どちらも肯定も否定もいたしませんが、最終的に自社が会計事務所に何を望むか?だと思います。

こちらの事務所の先生は経営者である私の家族を含め、今後この小さな会社をどうしたいのか?というスタンスから経営指導に入ってくれます。

会社の今後の計画も重視しますが「明日の10円も大事だけれど、今日の1円はもっと大事」という現場主義でもあります。

ましてや、決算期が来る数ヶ月前から「このままだと利益が○○○円出るので税金が○○○円発生しそうです。」など、事前の分析はもちろん、将来の私の退職金や銀行さんとの折衝、それに日本の中心都市に会社があることで、時代背景やトレンドなどの情報も逐一入ります。

つまり、先手先手で手を打って頂けるわけです。

まだまだ私も経営者のひとりとして、発展途上で勉強中の身。

「数字は人格」といわれるように私の人柄が、決算の数字となってそのまま表れます。

毎期ごとの私の人柄や取り組み姿勢が全て現れると言っても過言ではないと思います。

そんな我が社。只今決算処理の真っ最中。(汗)

今日も先生に来て頂いておりますが…………。大成経営 ゆたか

一日も早く、胸を張れるような決算書を作りたいものです。

そのためにも人格を上げなきゃ!ですね。

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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