無銭飲食と支払い滞納のグレーゾーン。飲食店の打つ手は?

今年の1月にご法要を行ったお客様に対してお料理をお届けに上がりました。
近隣の町村で人数も30名ほど。

当日の朝も早朝よりスタッフが頑張って早起きし、料理を作った次第です。

金額にして25万円弱。
社員の一か月分の給与に当たります。

会食を終えた当日。お支払いについて訪ねますと、「来週お支払いにいきますね。」とのこと。

はじめてのお客様でなかったことですので快くOKをいたしました。

そこから、今回の案件が始まります。

翌週、待っても待ってもお支払いに来て頂けないので電話をしたところ、「なかなか行く機会がないので来月まで待って欲しい。」とのこと。

うちの会社、人の良い社員が多くその時点ではあまり気にしてなかったそうな。(笑)
当然払ってもらえると思っていたので、現場から私への報告も遅れておりました。

その翌月になっても支払わない。

電話をしてものらりくらりが始まりました。

この時点で私の耳に入ったものの、すでに3ヶ月を経過しておりました。

ご法要といいますとお一人1万円くらいを香典に包んでくるのがここ北海道の相場でございます。
当日の人数が30名となりますと、ざっと数えて30万は香典としてあるはず。

それを残念なことに別なものにあてがってしまったんだと思われます。

ようやく、事の顛末を知った私は内容証明郵便を相手先へ送ります。

慣れない文章をインターネットのサイトを見ながら文章を作りようやく送信。

数日後、何を感じたのかはわかりませんが相手先から一本の電話をいただきました。

「内容証明郵便が届いたのですが、お金がないのでとりあえず5日位以内に5万円支払います。残金は月末で勘弁してほしい」というものでした。

人の良い社員の上には人の良い社長がおります。(笑)

二つ返事でOKさせていただいた次第です。

ところが5日経っても振り込まれない。
電話をすると、今度は「月末にまとめて支払うので勘弁願いたい」と言い出します。

半ば呆れながらいよいよ月末。

案の定振り込まれておりませんでした。

悔しさ半分。自分の管理の甘さを半分。反省しきりです。

「もう少し、法要直後に集金等をアプローチしていれば…。」と。

ただし泣き寝入りは嫌ですので、地元警察に相談に上がることに。

たまたま居合わせました刑事さんに事の顛末の一部始終を話させて頂きました。

私の話を聞き終わるとポツリ。
「鈴木さん、残念ですがこの一件は民事事件になってしまうのですよ。」と。

通常「食い逃げ」と呼ばれるものは刑事事件の対象となり処罰されます。

今回の弊社の一件は「払うつもりがあるのだが、来月まで待ってくれ!」といっている以上は刑法では問えないそうなのです。

これが明らかに、音信不通になったり住所を替えて意図的に連絡を出来ないようになると警察も動きようがあるのらしいですが、
弊社の場合、「電話には出る。」「払うという意思表示をする。」

こういう状況では現行法ではどうにもならないとか。

あとは裁判所に行き、民事の調停もしくは裁判へと進むしかないとのこと。

そこに進んだからといっても、のらりくらりを相手はするでしょう。

後味が非常に悪い結果となりますが、高い勉強代になりそうです。

警察からのアドバイスとして、都会では食い逃げ防止策として券売機を導入するお店が増えてるとか。

御社も!と言われましたが
ご法要膳で券売機は…‥‥(笑)ちょっと難しいかな。

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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