本日、久しぶりに歯科医を替えました。

以前の歯科医に対して大きな問題や不満を抱えていたわけではないのです。

その理由は「なんとなく」であります。

強いて言えば…..

なんとなく、以前の先生が居なくなり治療の方法が違った。

なんとなく、診療以外の売り込み(歯ブラシ、うがい薬)が強くなった。

なんとなく、患者さんが少なくなって、「待ってました!」感が強くなり行きづらくなった。

あくまでも私の主観の中ですべて「なんとなく」である。

で、新しい歯科医の門を叩いた。

知人の紹介でもなく、マスメディアに広告が出ていたわけでもなく、「なんとなく」インターネットで検索したものである。

電話連絡をし、すでに2ヶ月間予約が埋まっているので今回は遠慮願いたいとのこと。
(2ヶ月間も埋まっているほど、人気があるんだろうな〜と心理的にくすぐられる)

「いやいや、とにかく痛くて急を要するので。」

と、無理を承知でお願いする。

私に根負けしたのか、受話器の向こうで責任者と相談する声がすします………..。

しばし沈黙の後、意外な答えが。

「本日すぐ来るならOK!」

よし!早速行ってみることとします。

行ってみて、混んでいる理由がわかりました。

診療室はすべて個室。パーソナル感が良く、隣の診察台の音が気にならない。
自分だけの治療室。大げさに言えばそんな感じです。

先生が診察の都度、患者の部屋を移動するようであります。

BGMはJAZZが流れていて心地いい。

診察祭に上がるとモニターがあり、通常レントゲンで撮った画像をこちらで映し出すのが主な役割ですが、
ここでは診察に対する歯科医院の考えや取り組み、そして保険の効かないセラミック歯の広告をエンドレスで流している。

「当医院では全てに手袋を着用してますよ。」とか「すべての治療器具は消毒済みのものを使用してますよ。」など。
当たり前にやっているよな。と思うことを再度、医者から発信することで安心感は増だろうし、再確認できるでしょう。

診察台に座ってから診察が始まるまで正直言って、患者は「ヒマ」であります。

ヒマだからこそ、モニタを凝視する。
そこのスキマ時間を使うのは凄いな…と思った次第です。

また、診察台の横には「3Dプリンター」のような装置がある。
興味深く衛生士のお姉さんにその旨を聞くと、モニターで紹介してあったセラミックの歯を作る製造機だという。

衛生士さん「通常の保険診療だと数千円から1万円で治療は終わると思います。ただ、治療には4〜5回通っていただくこととなります。
患者様の場合、型をとったものを技工士に回して制作、今後の日程は他の患者様の空いた日程をうまく探してからとなりますので2〜3ヶ月は要するものと思います。
しかし、こちらのセラミックを選択をされれば本日と次回の治療で完了いたします。」

なるほど…。

気が短く、時間がない私には数回通っているうちに完治しなくてもある程度痛みが収まり、生活に支障がないと通院しなくなることが常であります。

そして、悪くなってはまた通い出す。こんな繰り返しを行っていました。

気持ちの中ではいつも少々費用が高くても1〜2回で治療が終わればいいのに……。と思っている方で。
治療費も大事だが時間のほうがもっと大事だと考えているのであります。

私「ちなみに価格はお幾らくらいですか?」

衛生士さん「大体、3万円くらいです。」

ほーーーーーーー。さ、さ、さんまんえん???
(いやいや、無理だから。嫁が許すはずがない…..)

私「もう人生の折り返しを過ぎてるんですから、そんな歯要りませんよ(笑)」

衛生士さん「70歳からでも入れる方がいらっしゃいます。少ない歯で入れ歯ではなく自分の歯で噛みたいって….」

私「…….。」

さて、いよいよ先生の登場。治療が始まります。
(まだ30代後半でしょうか。イケイケ的なオーラを感じます。)

先程撮ったレントゲンでの私の現在の歯を診察。

案の定、保険診療と保険適用外のセラミックの歯の説明をされます。
(来たな!いやいや、私は保険適用の安い歯でいいのだ….)

モニタ越しに通常の保険治療とセラミックを入れた場合の経年変化を説明していく。

これがグラフィカルでわかりやすい。

気持ちの中で当初は保険診療でいいや、と思っていたのがセラミックにしようかなと、心が傾いている自分がいます。

先生の技術がどうだとかこうだとかは正直、始めてきた患者である私にはわからない。

要は上手い下手より、私が座っている治療台の周りにある最新鋭のモニタシステムほか、諸々の環境が洗脳し始めています。(ある意味、これがブランディングなのでしょう。)

さらに診察台横にあるセラミックの歯を作るための最新鋭のセラミック製造機を見せられ、妙に納得する自分がいる。

先生から「説得」されるのではなく、「納得」してしまっている自分がいるのです。

まんまと先生の術中にハマった私……。
あっ、ハマったとは失礼。

あくまでも納得して、セラミック施術頂くことになったのであります…….。

セラミックに決定すると、口の内部に器具を入れてカチカチと音を立てながら何かしています。
丁度、ホチキスで芯を通すときの音に似ています。

それが終わると、セラミックを入れた後に想定されるかみ合わせの画像を3Dでモニター越しに見せてくれます。

セラミック歯がが入ると、どうなるのか?
前後の関係は?上下は?
詳しく、詳しく説明いただけます。

おまけに、今後の治療の流れをプリントアウトし、順を追って説明いただける。

ああ、セラミックにしてよかったと思える瞬間です。

歯科業は労働集約型ビジネス。

つまり我々飲食業や理美容業と同じようなビジネスモデル。

売上(診療報酬)を上げようと思うとマンパワーには限界があり、人手が多く要ります。人件費も大幅にアップします。

しかし、人を雇わずして売上を上げようと思うと、自ずと歯ブラシやうがい薬なんかを売りたくなるのもわかります。
つまり一人あたりの単価を高めて、売上アップを図るというもの。

ただ、必要とは思ってもあまりにも売り込み感が強くなると患者は治療が主なのか?歯ブラシを売ることが主なのか?
それって物売り????と、医者に対してのロイヤリティーが薄くなり引いてしまいます。

嫁なんかは電動歯ブラシまでも歯科医院から購入いたしましたが未だ使っているのは見たことがありませんしね。(笑)

以前読んだ書物の一節にこんな記述がありました。「人間は理屈で物は買わない。購入してから、買ったことを正当化し、理由づけする。」と。

つまりは左脳より右脳が働くわけである。

そうなんです。人間は自分が買ったことは正しかったんだと正当化する動物でなんです。

この歯科医師を通じて潜在意識、つまりは購買意欲を刺激するような商人(あきんど)でなくてはならないと感じた次第です。

顧客(患者)は「売り込まれた」という意識なく、自然と納得して購買に結びつくようなビジネスをしなくちゃいけないなと。

もちろん、お客様になることが大前提ですがね。

冒頭に書いた、飲食店もなんとなく「なんとなく、なんとなく….。」顧客を手放しているんでしょうね。

お客様と常に恋愛関係が続くような、刺激的で魅力な説得力ある店を作らなくては!と、本日行った歯科医院から学ぶのでした。

その歯科医院の帰り道………。

運転しながら奥方へ今日の費用の説明をどうすべきか?
セラミック歯を注文してから理由づける自分がおりました(笑)

この記事を書いた人

鈴木 賢司

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

詳しいプロフィールはこちら