百日祝(ひゃくにちいわい・ももかいわい)のお食い初め。歯固めの石は料理以上に大変です。

子供さんが生まれて100日目のセレモニーを「お食い初め」といい、両家のご家族で集まり、初めての赤ちゃんのお食事をお祝いする儀式です。

地方によっては、「百日祝い(ももかいわい)」、現代では「100日祝い(ひゃくにちいわい)」とも呼ばれます。

離乳食にはちょっと早いですが子供の成長を願って、「お食い初め膳」と称して小鯛の尾頭付きの料理やお赤飯を添えてお祝いするという日本古来の習わしです。

ゆたかではこのお膳のメインであるは瀬戸内海から前日取れたものを空輸で届けていただいてます。

ピカピカに光っております!

一匹ずつ、丁寧に串打ちして焼き上げていきます。

焼き上がって盛り付けるとこんな感じです。

おかげさまでこのお食い初め膳。十勝で提供している飲食店が少ないせいか十勝管内各地よりご依頼を賜ることが多くなって参りました。

ホームページに載せてあることもあり、遠くは60km先のお客様から問い合わせをいただくことも珍しくありません。
この前なんかはどういうわけか250km先の増毛町からのご注文が入りましたが、さすがに4時間かけてのお届けは……..(笑)

このお食い初め膳、お料理以外に影の主役がおりまして…….。

「歯固めの石」というものがあり、「歯が丈夫になりますように」という願いを込めて用意するのが一般的となっています。

もちろん食べるわけではなく、赤ちゃんの口にちょんちょんと当てて、願いをするわけであります。

この石。たいていは神社などで拾ってくるというお話をよく耳にいたしますが、当店のはちょっと違います。

石は石でも「十勝石(とかちいし)」というものを使っており、正式名称は「黒曜石(こくようせき)」と呼ばれ、割るとキラキラと光り、黒いガラスのような感じの石で旧石器時代から包丁や武器として刃物の代用に活躍していたそうな。

国内でもいくつかの産地があるらしいのですが、ここ十勝はその産出量が多く「十勝石」と名前がついたんだそうな。

この十勝石を当店では「歯固めの石」として料理に添えさせて頂いているわけです。

十勝石に特注のレースのポーチをつけてお客様にお渡しするわけですが、感激して喜ばれるお客様も少なくありません。

喜ばれれば、喜ばれるほど私自身のテンションが上がってまいります。

実はこの十勝石。私がしばしば川原に出かけて自然のものを採集しているんです。(笑)

昔は河原にゴロゴロしており、学校帰りには寄り道をしてよく取ったものでした。
しかしながら、ここ最近ではめっきりお目掛することも少なくなり、見つけるのも容易ではありません。

そんなことで今日もやってまいりました十勝川。

上流の方に行けば見つけることも幾分容易くはなるのですが、本日は時間がないので近場で…….。今日は何個見つかるでしょうか?

いつも行くところはこんな感じで草が生い茂った、けもの道を歩きます。

ようやく開けて河原が見えてまいりました。この日の気温30度。暑い。

ランチタイムが終わってからなのでそう時間はありません。

おっ!一個ゲット。

更に探すこと1時間。ようやく2個め。

その後、1時間くらい掛けましたがこの日はもう限界。

炎天下をふらふらになりながら帰ります。向こう側には夕日も出てまいりました。

半年で、このスーパーの袋に50〜60個ぐらい集めるのがやっとです。
そんな思いをして集めた十勝石がこちら。

あくる日、同じ町内にある池田神社に持って行ってお祓いをしていただきます。

この通り、ちゃんと祈祷して頂きます。

宮司さんありがとうございます。

そんなこんなでご提供しているこちらがお食い初め膳。

しめて6,800円

私が汗をかいて探し回った十勝石付き。(笑)

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葉っぱビジネスというのがあります。里山に暮らすおじいちゃん、おばあちゃんが料亭で使う、飾り用の葉っぱを集めてパックに詰めて売るようになってから、莫大な売上となり過疎の村から笑いが絶えなくなったそうな。おまけに海外旅行に行けるまで利益が出てるらしいのです。

私もこのおじいちゃん、おばあちゃんに見習って、石ころビジネスで巨万の富を築こうと思ったのですが、その前に私がくたばってしまいそうです。(笑)

十勝石拾い、あと何年できるかなぁ(汗)

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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