飲食店の採用もオーディションの時代!?「失敗した!」はあとの祭り。

1年前まで、外食産業全体が人手不足。求人誌を見れば飲食店の占める割合が多かったこと….。

しかしながら、このコロナの影響で人がいなくてヒーヒー言っていた業界全体も「人余り傾向」が続いております。

本日、たまたまコンビニに行って、無料の求人誌を開いても飲食関係の応募は「0」ゼロ。

一年前にこの状況を誰が予想したでしょうか?

先日も大手すかいらーくチェーンが200店舗のお店を一斉に閉店したのも記憶に新しいですがそこまでこの業界が追い込まれていることを物語っております。

しかしながら当店の場合、お店に来て飲食されるお客様は少ないものの、仕出し部門である「お祝い」「ご法要」の方はありがたいことにおかげさまで堅調に推移しております。

そんなことで「働き方改革」を取り入れている関係上、弊社もスタッフをうまく労働基準をクリアしていかなければならなく、 Indeed やハローワークに求人をお願いしている次第です。

そんな関係で、一年前は鳴かず飛ばずだった弊社の応募もコロナの関係で失業率も上がり、ここ十勝管内はもとより札幌や旭川方面からも応募され、面接する方が増えてまいりました。

それも皆さん第一線で活躍されている料理人さんばかりです。

こんな事は言ってはなんですが、料理人さんといってもピンキリ。

調理師の免許を持っていることと、調理技術は別物です。

私もこの店の社長となって20年以上が経つわけですが、いろんな職人さんを見てまいりました。

歯がボロボロに欠けた 柳刃包丁で刺身を切る職人さんもいれば、くわえタバコをしながら天ぷらを上げる職人さんもおりました。

あるときには二日酔いで出てこない職人さんまで(笑)

また、私が見ている時はしっかり仕事をする素振りをする人が居り、私が不在にしたり目を離すと途端に豹変する人も居りました。

要はお客様を見て仕事をしているのではなく、私を見ながら仕事をしているわけです。

面接の時はどの方も一応に格好の良いことを言うのですが、いざ働きだし1ヶ月そして3ヶ月経ってくるとどんどん素が出てまいります。
(人間ってそんなもんですよね。笑)

そんなことで、採用してから「失敗した〜〜」なんて思うこともしばしば。

そう思ってもあとの祭りなんですよね。

私自身、どちらかというと「来る者、拒まず!」というところもあるので、これもご縁だと思って採用をさせていただくのですが、今までどれだけ職人さんに苦労したことか。

とは言っても飲食店は労働集約型。

忙しくなると他のメンバーに負担がかかるので、少しでも人数を用意して、みんなの仕事を軽減してくれれば….。と思ったつもりが、その職人さんを入れたことで、かえって皆さんの気苦労が絶えなかったなんてことも今まで何度も経験をして参りました。

そこで、ここ数年前から方針を変えたのが「社員のオーディション制度」です。

これは2〜3日間、他の社員さんと同じ勤務時間を弊社に実際に勤務をしていただき、全てを見ていただくというもの。

オーディションと言うからには弊社が一方的に求人者を見るのではなく、先方もわが社をオーディションしているわけで、ある意味「三日間のお見合い」となるわけです。

ここで弊社を客観的に見ていただき「頑張れる!」と思えばそれも良し。

また逆に弊社側から「この力量じゃちょっと難しいかな…。」と思えばそこで断るもよし。

あらかじめそういったことを条件に伝えてあるので、お互いが非常に冷静に見ることができます。

これが先に挙げたように、採用してから「失敗した….。」と思うのではお互いが不幸の始まりです。

これで履歴書では見えない部分が見えてくるわけです。

おかげさまでこの制度を取り入れて数名の方がオーディションを受けていらっしゃいます。

オーディション3日目に面談の時間を取り、ざっくばらんにお互いが腹を割って話をし、具体的にどんな考えを持ったのか率直に意見を交換いたします。

私は世の中全て「ご縁で回っている」と思う人間です。

履歴書1枚の面接で採否を決定するのではなく、パートさんではない「会社の将来の一端を担っていただく社員さん」の応募だからこそ、三日間とはいえども共に仕事ををする時間、空間を共有することでお互いにとって、色んな意味でプラスになるのであれば、この制度なかなか良いと考えている次第です。

ここで、先程のご縁があれば実を結ぶと考えています。

飲食店経営者、店長の皆様、「転ばぬ先の杖」として、このオーディション制度是非お試しください。

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この記事を書いた人

鈴木 賢司

昭和41年生まれ。地元高校を卒業し札幌東京へフレンチを志し修行。

家業である実家の飲食店に帰って20数年。気がつけば社長でした(笑)

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